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HR Techが普及することで「働く環境」や「人事」にどんな影響が?企業はどう変わっていくのか?

「HR Tech」が普及しつつあり、人事部門の一部業務や作業の自動化が進んでいます。単調な作業や、煩雑で繰り返すだけの業務など、実質的に「人間の判断や手作業」が不要なものについては、人間の手から少しずつ離れつつあるのが現状です。

しかし、ゴシップやSF的な意味ではなくても「AIに仕事を奪われるの?」と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。

今回はHR Techとは何か、HR Techが普及することで、働く環境や人事にどんな影響があるのか、企業がどのように変わってくのかについて、考え方や捉え方も含めてご説明します。

HR Tech「Human Resources Technology」とは

HR Techは、HR「Human Resources」とTech「Technology」が組み合わさった造語です。HR「Human Resources」は人事、Tech「Technology」は技術、簡単に直訳すると「人事技術」という意味合いになり、ちょっと日本語的にはわかりにくいですよね。

まずはHR Techとはどんなものなのか、どのように考えるべきかチェックしましょう。

人事だけでなく「ヒト」が関わる分野をサポート

AIやIoTなど、IT技術が進化する中で、RPA「Robotic Process Automation | ロボティック・プロセス・オートメーション」がの技術も格段の進化を遂げました。その中でも、HR Techは人事だけでなく「ヒト」が関わる分野をサポートする技術です。

勤怠の管理や人事査定、給与や有休取得など、人事における自動化できる部分を機械に任せることで、人事だけでなく、会社やチーム全体のリソースを確保し、煩雑で単調な作業から開放されます。

人間の判断や手作業を必要としない業務や作業がある

HR Techは人間の仕事を奪うようなものではなく、機械に任せられることは機械に任せて、人間には人間にしかできないことをやろうとする仕組みや考え方です。例えば、アルバイトやパートのシフトに応じた出勤時間などの管理を自動計算、シフトの調整や管理、業務上で数値化できる業務の評価や査定など、人間によって調整したり、判断が必要そうな部分もHR Techによって自動化できます。

実務に携わる担当者が実際に行っている作業を細分化し、自動化できる部分は自動化、判断や手作業が必要な部分のみ人間が作業・業務するのがHR Techの基本的な考え方です。

HRテックは人事を「自動化」するテクノロジー

実際に人事や総務で働いた方であれば、書類や形式に沿って、同じことを繰り返し、何よりも間違えないようにするのが人事の役目と責任であり、自動化なんてできないと考えるかもしれません。しかし、人間と違い、機械は決められたことを間違えることはありません。書類や形式に沿って、同じことを「間違えないように」繰り返すのは、機械に任せるべきと言えます。

人間でないとできない業務や作業だという思い込みを捨てることで、人間の作業負担やストレスの軽減に繋がるということも、考え方の一つとして知っておきましょう。

なぜ、2019年がHR Techの普及元年と言われているのか

HR Techの普及元年と言われる背景には、国内外問わずHR Techのサービスが増えていること、市場としての「HR Tech」が成長・成熟していること、クラウドやオンラインサービスの普及、利用することへの敷居が低くなっていることなどが挙げられます。まさに今、人事が自動化されることが「当たり前」になっていく段階であり、企業やチームとして、人事のみならず「ヒト」に関する業務や作業から開放されていると言えます。

国内外問わず、HR Techのサービスが増えている

クラウドやオンラインサービスなど、インターネットを通じて利用可能なHR Techのサービスは国内外問わず増加しています。サービス内容としては、勤怠管理、人事査定、人材採用、人材管理、入社や退社のペーパーレス化や自動化など、人事に関することがほぼ自動化されるのでは?と感じられるほどに豊富です。

HR Techのサービスが増えることで、利用するユーザーが増加し、さらにユーザーの声によってさらなる自動化や効率化が進んでいる状況と言えるでしょう。

市場として「HR Tech」が成長・成熟しつつある

HR Techは単なるサポートサービスのようなものではなく、既に一定の利益や成果を挙げている市場として成長・成熟しています。簡単に言えば、HR Techそのものがお金になるということであり、AIやIoT技術、RPAなどに長けた企業やオンラインサービスによって、さらに磨きがかかっているということです。

需要と供給の話で言えば、市場として成長成熟する分野は「必要とされていること」が明確あり、HR TechやRPAなどの自動化を推進する波は今後も大きくなっていくでしょう。

クラウドやオンラインサービスの定着

インターネットやパソコン、スマホ、タブレットなど環境やデバイスの普及もHR Techが普及した理由と言えます。そして、今までは紙ベースの契約書や書類、手紙によるやりとりなどが当たり前でしたが、今ではペーパーレスでクラウドやオンラインサービスを使うことに対する抵抗も少なくなりました。

IT技術の進歩だけでなく、ごく一般の方にもインターネット環境やデバイスが浸透してきたこと、当たり前にIT技術を使えるような時代になったことも、HR Techが普及する起爆剤になったと言えます。

HR Techが働く環境や人事にどんな影響があるか

次にHR Techを利用することで、勤怠管理や有休取得、人事査定など働く環境、人事課の担当者として、どのような影響があるのかをチェックしてみましょう。

勤怠管理や有休取得、人事査定など

例えば、出勤や退勤の紙ベースの打刻カードをチェックし、エクセルに手入力、遅刻や早退などがあればその都度届けでをチェックし、理由に応じて勤怠評価を付けるなどの作業がありました。もしかしたら、現在でも同様の作業や業務をするためだけの人員を必要としている会社やチームもあるかもしれませんね。

今ではICカードによる打刻、専用のフォームから遅刻や早退の理由を報告、申請するなどで、簡単に自動化され、目視によるチェックや、手入力する時間などが大幅に削減されています。

有休の取得についても、電子ベースで申請や取得状況の管理がしやすくなり、人事査定についても、日々の業務や作業による業績を可視化、データ化することで、明確な指標によって公正公平に判断されるようになります。

人事課の作業や心理的負担の軽減

特に勤怠や人事査定については、担当者のさじ加減とまでは言いませんが、個人差が出る可能性がある部分であり、人事担当者の心理的負担となる場合も少なからずあります。

HR Techによって自動化されることで、人事業務そのものの属人化や、査定部分の融通などがされにくくなり、人事担当者の作業負担の軽減だけでなく、ストレスの軽減にも繋がるでしょう。例えば、単なるシフトの調整についても、担当者が一人一人に聞いてまわり、それぞれの休みが重なった場合、一人一人に調整をお願いして回るようなことをせずにすみます。

逆に有休を申請する側も、人事担当者の顔色を伺うことなく、電子ベースで有休の申請できるようになれば、有休の取得もしやすくなる可能性もあり、管理する側も管理される側もストレスが減るようになるでしょう。

適切な人員配置で職場全体の作業効率の向上

HR Techではシフトの調整や管理だけでなく、能力に応じて人員を配置する仕組みもあります。

一定のスキルを持つ社員を抽出し、特定の業務を行う部署に配置、または勤務する中で人材育成のカリキュラムを組み込みながら、教える側と教わる側の適切な人員配置も可能となります。人員配置や社員教育、人材育成こそHR Techでは自動化できない部分だと感じてしまいますが、社員のスキルや経歴をデータ化、数値化することで、偏りのない作業環境、業務体制を作ることが可能です。

HR Techによって企業はどのように変化するか

HR Techは人事や会社全体の「ヒト」に関わる分野を自動化する技術であり、実務として人事に関わる人間だけでなく、会社で働く全員に影響します。HR Techを利用することで、企業やチーム、会社としてどのように変化するのか、またどのように考えて取り扱うべきか見てみましょう。

人間の判断に頼らない人事管理ができる

人事で一番のネック、悩み事になるのが「金銭に直結すること」です。残業しかり、シフトしかり、勤怠や人事査定しかり、直接的に給与や年収に影響します。

人間の判断が必要ない部分を自動化することで、人事管理の公平性や誤った判断を減らすことが可能です。業績や勤怠の数値が可視化されている状態で、何らかの忖度なり、偏った人事采配が下されることは少なくなりますし、何よりも仕事ができるひと、仕事ができないひとを区別できるようになります。

人材の採用や育成のプロセスを可視化

HR Techでは人材の採用や育成のプロセスも管理可能となります。例えば、人材の募集から選定など、段階に応じて集計されたデータが表示されたり、社内教育のカリキュラムの進行具合を可視化することができます。

実際に人が入ってくるまで、どれくらいの期間が必要か、実際に人が育つまでどれくらいの期間が必要かなど、どちらも目に見えにくい部分ですが、HR Techによってデータベース化することで、問題点が発見でるようになり、改善案を考えられるようになります。

採用や退職などの手続きについても、採用の段階から履歴書や職務経歴書はデータで受け取ったり、公的機関と電子データによるやりとりによってスムーズになったりします。

ダイバーシティへの対応が可能となる

HR Techでは従来の日本型の人事では対応しにくいダイバーシティにも対応しやすくなります。

日本だけでなく、海外の方も採用、交流する機会を増やしながら、国際的に認められる企業やサービスとして育てていくイメージは非常に大切であり、見た目や考え方の違いを越えて社会を作り上げていく必要があるということです。一昔前と比べて様々なところで外国の方と出会う機会が増えており、今度は一緒に働くのは当たり前になりつつあります。

日本人や特定の属性、性別、年齢のみを採用とする時代は終わっており、柔軟に「中身」を見ながら、良い人材を確保できるようにすることが、HR Techを通じて企業やチームに求められていること、求めるべきことだと言えるでしょう。

HR Techは人間の仕事を奪うものではなく最適化や効率化するもの

HR Techも含めてRPAなどの自動化は人間の仕事を奪うものというイメージがありますが、必ずしも正しい答えであるとは言えません。例えば、一部スーパーやコンビニでは「自動でお釣りがでるレジ」や「セルフレジ」が増えてきました。

今までは人間の手によって商品のバーコードを読み取って、お金の受け渡しをするのが「当たり前」でしたが、今は機械が計算した結果を、機械が「間違えずにお釣りを出す」のが、当たり前になってきています。HR Techも同様に自動化できる部分を自動化することで人的なミス、誤った判断の介入が減り、人事に割いていた人間の手を別のことに使えるようになります。

人的リソースをほかのことに割けるようになれば、適切な人員で過度な作業負担、ストレスを感じることなく仕事に集中できるようになるのは間違いありません。AIやIoT、IT技術を誤解してしまうと、まるでSFやアニメ、映画かのように、仕事をAIに奪われるような感覚や声が上がることもあります。

しかし、実際には人間の仕事が楽になるように、最適化や効率化してくれるのがRPAであり、HR Techの本質です。

【まとめ】HR Techによって職場や働き方そのものが変わる

クラウドやオンラインサービスのRPAによって、様々な業務が自動化されることで「企業や会社としての作業や業務」が必ずしも人間の判断や手作業が必要ではないということが可視化されつつあります。HR Techも同様であり、自動化できる部分は自動化し、人間の手や思考する余地を増やす取り組みや仕組み、考え方が浸透しています。

昔、駅の改札では駅員さんが切符を切ったり、定期券を確認していました。今ではほとんどが自動改札になっており、むしろ自動改札が当たり前です。

同様にHR TechやRPAの恩恵を受けている人であれば、自動化したものをいまさら「手作業」にすることなど考えられないでしょう。これから先の時代、職場では色々なものが自動化され、過度な負担となる摩耗するような作業や業務が少なくなるでしょう。

言い換えてみれば、お互いに「人間を大切にする」ような働き方、生き方ができる時代が訪れるといっても過言ではないかもしれませんね。

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